サックスとアドリブ練習帳

サックスを学び、アドリブを学ぶ日々の記録

【サックス】フラセルとアメセルの違い

サックス吹きなら誰もが知るセルマー。
ビンテージサックスの代表格ですね。
私もテナーはフラセルのマークⅥを吹いています。
 
そんな中、
ジャズにはフラセルよりアメセルの方がいい
という意見を聞いたりすることもありますが、
そもそもアメセルとかフラセルって何?
って感じだったので、ちょっと調べてみました。

フラセルとは?

フラセルとは、
フランスのセルマーパリ社で作られたサックスです。
フランスセルマーの略です。
 
フランスのクラリネット奏者だった
ヘンリ・セルマーさんが創始者で、
サックスの製造は1922年から始めたそうです。(Model22)

アメセルとは?

アメセルとは、
アメリカのセルマーUSA社で作られたサックスです。
アメリカンセルマーの略です。

創始者のヘンリ・セルマーさんの弟の
アレクサンダー・セルマーさんがアメリカで演奏活動していて、
お兄さんの楽器をアメリカで販売しようとして始めたそうです。
 
ポイントとしては、
フランスで作られた楽器を輸入したのではなく、
パーツとして輸入し、アメリカにて
組み立て・調整・塗装を行っている点です。
 
これにより、フラセルとアメセルでは、
パーツは同じでも、違ったキャラクターになっています。
アメセルがジャズ向きというのも、
当時のアメリカのマーケットに合わせたためのようです。
 
ちなみに、楽器として輸入しなかった理由は、
楽器のままだと莫大な関税がかかるから
と言われています。

フラセルとアメセルの見分け方は?

これが、製造番号では区別がつかないらしく、
素人にはなかなか難しいです。。。。
 
となるとどうするかというと、
  • 色見(アメセルの方がダーク)
  • 彫刻(アメセルの方が豪華)
  • 値段(アメセルの方が高価)
などで見分けていくみたいです。
(値段は見分け方とは違うかもしれませんが・・・)
 
色見や彫刻については、
イシバシ楽器さんのサイトに写真が掲載されていましたので、
引用させて頂きます。

上がアメセル、下がフラセルです。
こうやって見てみると、けっこう違いますね。

f:id:lucky90:20190319221043j:plain

f:id:lucky90:20190319221124j:plain

出典:http://www.ishibashi.co.jp
(記事名:The saxophone of Dream ?ヴィンテージSelmerを紐解く?)

どっちが優れてるの?

一般的に、
  • フラセル:クラシック向き
  • アメセル:ジャズ向き
と言われていたり、
  • 日本人はとにかくアメセル好き
という傾向があるそうですが、
いろいろと見ていると、
結局のところ、
どちらが優れているとかない
という感じかと思っています。
 
というのも、やはりサックスはかなりの部分が
(ビンテージ物は特に)手作業で作られますので、
それぞれの個体でいいかどうかが分かれると思います。
 
つまり、
いいアメセルはそりゃいいけど、
いいフラセルだってやっぱりいい。
実際、アメリカのミュージシャンでも
フラセルを使っている人は沢山いるそうです。
 
とは言え、楽器としての方向性はあると思いますので、
一応、ジャズ志向の私としては、いつかは
いいアメセルに出会えたら嬉しいな~とは思っています(笑) 

ちなみに、私の楽器はと言うと・・・

私の楽器は、15年くらい前に買った、
フラセルのマークⅥです。
なんですが、なんと買った時点から、
彫刻が全くありませんでした
こんな感じです↓

f:id:lucky90:20190319225534j:plain

なんでかなと思っていたのですが、
先日先生に聞いたところ、
前に使っていた人がラッカーを剥がしたから
だそうです。
 
というのも、フラセルとアメセルでは塗装方法が異なります。
フラセルは『ラッカー焼き付け塗装』です。
  • 塗膜が厚く、腐食に強いが、
  • やや硬めの音で、音抜けに時間がかかる
という特徴があります。
 
アメセルは『ラッカー吹きつけの自然乾燥』です。
  • 塗膜が薄く、腐食したり剥げやすいが、
  • 音抜けや楽器の鳴りが良い
という特徴があります。
この辺りがジャズ向きといわれる理由かもしれません。
 
で、上記のような特徴があるため、
前に使っていた人は、
ラッカーを剥がすことで、楽器の鳴りを良くしようとした
ということだと思います。
 
まあ、彫刻がないのも渋くて好きですが、
豪華な彫刻への憧れが無いわけではありません^^;

まとめ

フラセルとアメセルの違いについてまとめてみました。
見分け方は慣れるまではちょっと難しそうです。
どちらも「いい楽器はいい」ということだと思いますが、
目指す音に近づけるためにも、
楽器の作られ方も意識できたらいいなと思いました。
 
こうやって調べていると、
もっといろいろな楽器を吹きたくなってしまいますね(笑)
Copyright © 2019 サックスとアドリブ練習帳 All rights reserved.